私が歩く理由

スペイン巡礼

家族や友達がいて、仕事もある。たまに旅行にいったり、美味しい物を食べたり、好きなこともしてる。平凡だけど恵まれた日々。そんな日々を何となく消化していく私。気がつくとあっという間に1週間、1ヶ月、1年が過ぎて行く。

そんな代わり映えのない毎日から、私は抜け出したかった。安定した生活が決して嫌だったわけじゃないけど、”何か”が足りない。モヤモヤする。魅力も刺激もない。

何かを自分で決めて、何かを自分で変えたかった。多分どこかでずっと、そんな願望があったんだと思う。

だから歩くことにしました。自分探しの旅ってやつでしょうか。明確な目的があるわけじゃないけど、この旅を成し遂げたら、”何か”が変わるような気がしたから。

と、私の心情をつらつらと書きましたが、結局のところ、とにかく旅行が大好きでスペイン巡礼が夢だった、実はバックパッカーに憧れていた(自信がなくて出来ず)、何かにチャレンジしたかった、そしてこの度色々なタイミングが合いついに歩くことに決めた、それだけです。

ワクワクすること

1年ほど前から本格的にスペイン巡礼について考えるようになり、周囲の人にも少しずつ相談し始めました。嬉しいことに、私の突拍子もない旅計画に反対する人はいませんでした。

「やりたいことがあるならやるべき!」「800㎞歩きたいと思うこと自体がすごい!なかなかそんなこと考えないんだから、歩きたいと思う時点で行くべき!」などなど。

中でも私がウジウジと悩んでいるときに背中を押してくれた先輩の言葉があります。

「あなたが、何にワクワクするかだよ。」

あぁそっか、私は今の生活にワクワクしていなかったんだ。今、私がワクワクすること、それはスペイン巡礼に行くことだ!となったわけです。

飛び立ちたくてたまらない

さらに別の知人からは、

「背中から羽が生えたがってるよ、飛び立ちたくてたまらないって感じるよ。」

と言われました。少しスピリチュアルな感じですが(笑)、その時は本当にそんなオーラがでてたんだと思います。

変化することは怖いことじゃない

さらにさらに別の友人からは、

「人間は本能で、変化すること=恐怖、と感じるらしいよ。だけど本当は、変化することは怖いことじゃないんだよ。」

と言われました。今の生活から変化することに少なからず恐怖を感じていた私にとって、励ましの言葉となりました。

 

どれだけ後押しが必要やねんって感じですが、優柔不断な私にとって、周りの人からそうやって前向きになる言葉を言ってもらえたことがとても力になりました。

 

そしてもう一人。あるご住職に話を聞いていただく機会がありました。キリスト教の巡礼地に行くことを仏教のご住職に尋ねるなんて!って感じですが(笑)、私が不安に思っていることを色々相談しました。

「行ってきなさい。歩きながら頭の整理ができるから。歩き終えたら物事の見え方がまた変わりますよ。」

じゅ、じゅ、住職さまーー!そうですよね!私、行ってきますからー!

てなわけで、スペイン巡礼の旅、実行です。

 

ちなみに。

そのご住職から、「それで、その旅から帰ってくるのは半年後とか一年後とかですか?」と聞かれ、「え!いえいえ!歩くのは40日くらい、旅行も含めて2-3ヶ月間で考えてます。」と答えた時、あれ、めっちゃ大ごとに思って相談してしたけど、もしかして2-3ヶ月今の生活から離れることってそんな大したことじゃなかったのかな?!とほんの少し恥ずかしくなりました。人生のうち2-3ヶ月なんて、ほんの一瞬の寄り道タイムですよね。